「次亜塩素酸水溶液」と「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」の違い
「次亜塩素酸水溶液」と「次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸ナトリウム液)」は同じものだと思っていませんか?
実はこの2つ、名前は似ていますが全く別のモノです。
混同してしまうと思わぬトラブルを招くので、しっかりと理解を深めましょう。
今回は「次亜塩素酸水溶液」と「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」の違いについて解説します。
そもそも「次亜塩素酸」と「次亜塩素酸ナトリウム」は違う化合物です!
次亜塩素酸水溶液の特性
「次亜塩素酸水溶液」とは、「次亜塩素酸」を含んだ水溶液のことです。
次亜塩素酸は化学式で表すとHClOまたはHOClであり、分子の状態で水溶液中に存在するのが特徴です。
次亜塩素酸水溶液に含まれる次亜塩素酸は、有効塩素成分の塩素ガス、次亜塩素酸イオン(次亜塩素酸ナトリウム)、次亜塩素酸の中で最も殺菌力が強いことがわかっています。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の特性
「次亜塩素酸ナトリウム水溶液」とは、次亜塩素酸イオンを多く含んだ水溶液のことです。
液性は強いアルカリ性を示し安定性は高いのですが主成分が次亜塩素酸イオンですので殺菌効果を求めるのであれば濃度を高くする必要があります。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液は化学式で表すとはNaClOまたはNaOClで次亜塩素酸ソーダと呼ばれることもあります。
家庭では主に塩素系漂白剤や殺菌剤などに使用されているので馴染みが深いと思います。
容器販売などを行うにあたって、長期安定性が必要となります。それを達成するために強アルカリ性にします。
しかし、アルカリ性にすることによって効果が落ちます。そのため高濃度にしないといけないという宿命を持った薬品と考えられます。
次亜塩素酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウムの注意点
次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムに共通する点は、どちらも中性から離れれば離れるほど人体に危険なものになっていくという特性を持っていることです。
酸性の場合
酸性の度合いが強くなると金属腐食を起こす場合があります。
また、次亜塩素酸は酸性の度合いが強くなるほど有毒な塩素ガスの含有率が高くなり塩素ガスが溶液から発生する場合があり非常に危険です。
よく「混ぜるな危険」と表示されている塩素系消毒剤や漂白剤は酸性洗剤と混ぜた際に酸性となり有毒な塩素ガスを発生することから注意が必要であると訴えているのです。
アルカリ性の場合
強アルカリ性の液体には皮膚のタンパク質などを溶かしてしまう性質があります。
素肌に塩素系漂白剤が付いた際にヌルヌルした経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。これはアルカリ成分が水酸化ナトリウムであり皮膚のタンパク質を溶かしているためです。
また、この際の主成分は次亜塩素酸イオンであり上記次亜塩素酸ナトリウム水溶液とみなすことができます。
逆にこのアルカリ成分によって汚れを落とす効果も期待できるため汚れ落としには効果が期待できるとも言えます。
次亜塩素酸と次亜塩素酸ナトリウムの取り扱う際には
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を弱アルカリ性などにしたいとき、酸性の薬品を混ぜてはいけません。
有毒な塩素ガスが発生して、事故に至る危険性があります。そのため、弱アルカリ性にしたいときは水を混ぜて薄めましょう。
次亜塩素酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウムは結局どう使い分けたらいいの?
次亜塩素酸水溶液
次亜塩素酸水溶液は有効成分である次亜塩素酸を高い割合で含むため低濃度で使用できるメリットがあります。
その為、毒性も低くなり、衣類の消臭やペット用品のケアなど広い用途で使用できます。ただし弱酸性、中性、強酸性など様々な種類がありますのでそれらの特徴をよく確認しお使いいただくようにして下さい。
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは昔からある塩素系漂白・消毒剤です。
使用方法は、原液を用途に合わせて希釈しお使いいただくのですが原液の濃度が高く、またアルカリ成分も含んでいるため手袋やマスクが必要になります。
有効成分も時間の経過とともに減少する為保管方法や温度管理が必要になります。
用途としては、様々な消毒作業(汚物洗浄、器具消毒など)がメインとなり人や動物などに直接使うことはありません。
また酸性洗浄剤などと混ぜると危険な塩素ガスが発生しますので取扱いには注意が必要になります。
次亜塩素酸水溶液、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、アルコールの特徴比較表
上記で解説した「次亜塩素酸水溶液」「次亜塩素酸ナトリウム」と「アルコール」の特徴を表にまとめました。
それぞれの違いをしっかり把握して、うまく活用していきましょう。
次亜塩素酸水は、除菌力・ウイルス抑制力に優れており、プールの除菌や水道水の浄化、食材の洗浄など幅広い分野で活躍しています。
中でも中性電解水Meau(エムオー)は、不純物が少なく、中性で安心にお使いいただけます。
中性電解水 Meau(エムオー) |
微酸性 次亜塩素酸水 |
次亜塩素酸ナトリウム | アルコール除菌剤 | |
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除菌力 | ◎ | ◎ | ○ 高濃度100ppm以上で効果あり |
△ 一部の菌に効果なし |
消臭力 | ◎ | ○ 濃度も下がると消臭力も下がる |
△ | ☓ |
対ウイルス効果 | ◎ | ◎ | ○ ウイルス不活化まで時間がかかる |
△ 一部のウイルスに効果なし |
濡れた場所 | ◎ | ◎ | ○ | ☓ |
保存性 | ◎ 不純物が少ないので保存性が高い |
△ 生成時から有効塩素濃度低下 |
△ 生成時から有効塩素濃度低下 |
△ 火気厳禁 |
ニオイ | ◎ 極めて薄い塩素臭(反応時) |
△ 軽い塩素臭(反応時) |
☓ 強烈な塩素臭 |
○ 揮発性の刺激臭 |
毒性 | ◎ なし |
◎ なし |
☓ 皮膚に強い刺激 経口摂取厳禁 |
△ 皮膚膜を溶解 皮膚乾燥 (アレルギー) |
揮発性 | ◎ なし |
◎ なし |
◎ なし |
☓ 高い揮発性 |
液性(pH) | ◎ 中性 pH6.5〜7.2 |
△ 微酸性 pH6〜6.5 |
☓ 強アルカリ性 pH9以上 |
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